週刊少年チャンピオン  2011年12号感想

 毎回、全作の感想を書いているわけではありませんが、書かない理由は様々で、一言では説明しにくいのです。そんなチャンピオン感想。


弱虫ペダル 渡辺航 RIDE.147 秒差
 見開き巻頭カラーの御堂筋くんは相変わらず人外でした。制御不能の闘争本能という煽りが付いていますが、古の神のような悪魔のような生物の封印を解いてしまった感じですね。恐怖!
 そんな御堂筋は、3校三つ巴の状態から4秒の差をつけました。前回のクランチを曲がるときに、4秒4秒と唱えていたので、想定どおりの決定的な差であるようです。その差に今泉君が再び精神の弱さを垣間見せますが、これはチームの作戦の問題であって、個人的な技量の問題ではないでしょう。そもそもがチーム戦、技量の問題であってすら、それがひとつのチーム。"心"をひとつにまとめて、ゴールに届ける戦いなのでした。金城さんはほんとにかっこいいですな。諦めない男は、諦めさせないことをも諦めないのです。


毎度!浦安鉄筋家族 浜岡賢次 17キンポ★おねつ
 顔はともかく、腕なんかはとても細く描かれてるのに、そのプニプニ感と来たら、極上ですね。1度目から1秒のやつ買えばいいのになどと思いましたが。


バチバチ 第86話/焦るな
 力士に必要な努力とは、力士に必要な肉体を作ることとは、猛稽古するだけでは足りない。食べて寝て、太ることが出来なければ、意味がない。というのはその通りなんですけど、そういうのは入門から新弟子検査受かるまでの間に言っておくべきことなんじゃないでしょうかとは思うものの一件落着……でしょうか。"三年後の稽古"というのは良い言葉であると同時に残酷な言葉ですね。そういえば、モンゴル出身の蒼希狼の特異性というものは結局なかったんでしょうか。負けん気が強いのは出てましたが、鯉太郎のほうの問題で片付いてしまいました。次の場所がどうなるのか気になります。


範馬刃牙 板垣恵介 第244話/来訪
 挑戦されるくらいの強さでは足りないと言った人がいました。ラブレターもらうようでは舐められている、美人は近寄られたらおしまいと言った人がいました。範馬勇次郎はそういう段階には既にいないとのこと。確かにしばらく戦いらしい戦いもしていませんしね。昔はみんなが対勇次郎を夢見ていたとか言われてましたけど。
 「この世に存在する全ての息子は父親と対立する権利を持ち、父親はそれを受ける義務がある」ときました。単純に親子間の問題に縮小したがる刃牙は切ないですな。勇次郎のほうも、強く育ったから、ではなく息子だから……という面も見えないじゃないですが。ラストの、"今宵――親父と 水入らず!!!"の語感は良いですね。七五調ってだけじゃなく、言葉が心地よいです。


クローバー 平川哲弘 第187話 ケンジ走る
 クソイケメンがクソすぎますね。そういえば芸能界に入るとか言ってましたね。じゃあ女遊びしてんじゃねえ! と言いたいですが、女遊びするために芸能界に入りそうな感じですからね、さすがクソイケメン! クソイケメンだけあって、男の人望はまるで内容です、さすがクソイケメン! しかし体勢を崩して倒れたメイちゃんは、頭を打ってそうでかなり心配です。大丈夫でしょうか。


囚人リク 瀬口忍 第2房 下獄
 ついに塀の中(島全体が刑務所のようですが)に入れらてしまったリク。その残酷で非道な扱いを、ほのめかすでもなく、冷徹に描き切るでもなく、普通にちゃんと描写するのが、逆に効果的に効いてきます。リクの絶望からの精神の復活のきっかけが、まんま復讐対象の存在のなのが辛いですね。早く、仲間が出来てほしいところです。ジャンルの問題かもしれませんが、ハリウッド映画的な印象です。


みつどもえ 桜井のりお 第222卵性「ふたばのアトリエ」
 ふたばがひたすらに可愛すぎて、泣き顔も驚いている顔も解決した後の顔も天使! そしてみつばを狙うしょうがない隊の目が怖いですね。いや存在が怖いんですが。


侵略!イカ娘 安部真弘 第175話・防犯訓練じゃなイカ
 侵略っぽいことをしてみたイカ娘に突然の良い話。そのときの驚きの表情が素敵でした。栄子はよく恥ずかしげも無くこんなことを言えるものよのお……。


てんむす 稲山覚也 第3話・結日高校食い道部
 天子が高校デビューを狙うようになってしまったのは、お前のせいか、幼馴染!! 男の子の性であっても、それで人を傷つけたのは許せられませんよ。そういう部分の救済はありそうなので、心待ちにしておきます。
 食い道部の部室として理科準備室を使っているので、夢のアルコールランプコーヒーが……と思ったけどお茶でした。そんなお茶を入れるマネージャー忍足さんは、金持ちという便利な属性と冗談好き人ということでかなりキャラを立ててますね。部内での一人男子ですけど、十分に目立ってきそうです。部長の立浪さんや、井端、荒木と何やら名古屋っぽい名前がありますが、部員みんなキャラがしっかり立ってて、可愛い女の子分は十分です。部活面では早々に全国大会という単語をだし、しかも何やら2年以上は思うところありのご様子でわくわくでございます。


ナンバデッドエンド 小沢としお 第111話 ラーメン一丁
 感動ですよ。感激ですよ。感涙……はしない性質なんですが、そう言いたいですよ。猛兄貴が、今の想いを全て剛に伝えて。二人が正しくわかりあえて。よかった……ほんとによかった。そして今からでも、って剛に言ってくれて本当によかった。この兄貴の発言は、先に手際良く働けていない描写があったからより生きている気もします。良い1話でした。名作すぎますよ。


スーパーバイトJ 沼田純 第37話・誰がために戦う
 まあスーパーの鮮魚売り場をみて、将来は魚屋さんになる! っていう少年はそうはいないでしょうね。というわけでヒーローっぽくスーパーを語るNJ。スーパーバイトJというタイトルがこれ以上ないくらいに完璧ですね。いつかこのネタするためのタイトルだったのでしょう。そう考えるとNJのキャラデザも、あつらえたように見えてくるから不思議な天パ。ミツイシさんかわいい。


モメンタム 濱口裕司 第4話/試合開始
 練習試合の相手、緑谷高校。その選手達は憎めない感じなんですが、それだけに宗介くんを馬鹿にした態度がわかりませんね。……と思ったんですが、単純に敵を馬鹿にするタイプでしょうか。変な話ですが、悪意とかは無いのかもしれませんね。どんな相手でもこういうふうに馬鹿にしそうで。バスケ描写にあまりスピード感がなかったんですが、どんなもんでしょうか。パス回しの特性上かどうか。


十字架とコイン 那須信弘 1c 邂逅
 新連載大攻勢第4段(集中連載)。雰囲気が好きなのはずっと言ってましたが、はたして中身はどうだったかというと、結構好きでした。完璧では無いにしろ好きな感じです。場面転換と回想が雰囲気とインパクト重視だったようで、一度読んだだけでは繋がりはわかりにくかったのですが、二度目はすっきりと入ってきたので、少し難ありってくらいでした。
 一話ということでストーリーはそんなに描かれなく、雰囲気とキャラと舞台紹介といった感じでしたが、今後どういう話になるかはだいたいわかりました。そりゃ短期連載になるなと思います。屋内で粉末銅をまいて酸素欠乏症に陥らせてからボコるというのは、治安の悪い場所で頭使うだけで生きてる感じがしてよかったですね。ライターつかないっていうのも伏線としてのさりげなさがいい感じでした。短期連載なので、こういうのが一度あれば物語全体に効いてきそうです。ただ主人公が特徴的な狐面を捨ててしまったのが気になります。一度限りなのかな…予告絵にも載っていたで今後も使ってほしいのですが。ともかく、かなりお気に入りました。期待!


ドカベン スーパースターズ編 水島新司
 斜め後ろからのホームランの構図は好きです。しかし……もしかして殿馬とマドンナがいちゃいちゃするだけの試合になるのじゃないかという疑問が生まれてしまいました。新人くんを応援できるような変革が起こればいいなあと思います。


聖闘士星矢LC 原作 車田正美 漫画 手代木史織 第216話 声
 ここ数週間、耶人たち聖闘士と自分(読者)が同じ立場だとか言ってましたけど、そんなわけありませんでした。気持ちは同じですけどね! なんとかしてやりたいと思ったらそりゃ飛び出し来ますよ彼らは。死の救済を望む声を聞き、正しさを見失ったテンマ。そんな彼に、何もしないでいられませんよ!!


ケルベロス フクイタクミ 第五十五刻 少年、少女
 うう……駄目です。こういうのに弱いです。もうサブタイトルからして弱いです。先週の段階で島田さんだけでもやばかったのに、みんなですよ。クラスみんながですよ。カラスの群れに立ち向かうのです。そしてみんなの心には景がいるんですよ。かっこいい形の枝がかっこ良すぎますし。肝心の景のほうはまるで打開の兆しがありませんが、みんなが大丈夫ならきっと大丈夫です!


ハンザスカイ 佐渡川準 第54話・吼えろ野良犬
 野田あああああああ。野田が吼えるのですから、私も吠えます。野田あああああああ。野田はスロースターターだったということで、精神的な問題だけでなく、すでに試合をこなしたがゆえの動きのキレであるらしいです。そういう選手は難しいですね。どこにピークを持っていくのか、1試合目にもっていくために準備運動を激しくするというのもありですが。調子があがり、ついには相手の技までこなしてしまう野田ですが、勝ちを意識してしまうと……自然とそういうオチになってしまいますね。残念。ところで、先週相手方の人はポイント差について考えていたので、負けたとはいえ、1点という差しかつけられなかったことは非常に大きいでしょうね。この差でチームの勝利……となるのも美味しいのですが、どうなりますか。


はみどる! まりお金田 49曲目:エメラルドの伝説
 藤岡田隊長が可愛すぎますね。防寒具はもこもことしていて可愛いものですが、それにしても可愛い。藤岡田隊長に好かれてるのはいいことですよね。ワカサギ釣りに本気の食材調達を求めるすずのさんが流石です。釣ったワカサギは全部湖に戻ってしまった感じですけれど。


シュガーレス 細川雅巳 Vol.53 俺自身
 戦いの最中に、食事をしてお腹いっぱいのマリモは、パワーアップして矢坂兄を倒してしまいました。ほんとに食べたら強くなってしまったので、これからマリモを倒そうというやつは如何に食事をさせないかを考えないといけませんね。綺麗事とかいらないと言うタイプの不良ですら食事タイムを待ってあげる世界では難しそうですが。そんなマリモは屋上から眺めていたシャケと目と目で会話をしたようです。先週の頂点目指す発言は、シャケからすると今までつれなかったマリモがデレたようなものですからそりゃ嬉しかろうという顔ですね。
 一方校舎内の卜部対周防も、外の流れに合わせて決着かと思いきや、まさかの二年、キリオ参戦。卜部の靴を持ってきてシンデレラ呼ばわりです。その前にちゃんと卜部の左足が裸足であることを意識させる描写があってさすがです。2年の1年狩りではキリオの担当はシロだったので、卜部との1対1のやりとりはなかったのですが、シンデレラ呼び一発でそのハンデを埋めてきましたね。(シャケにやられて、重なり合った仲ですし、そもそもハンデって何のハンデでしょう) それはさておき、キリオの語った他校者でも風車に手を伸ばしてたら同じというのはなかなか面白い価値観です。


ANGEL VOICE 古谷野孝雄 第185話/一気に!!
 おお……普通に決まりましたね。いや決めてもらわなければ困るのですが。しかしそのゴールが決まった勢いが、チームを不利な状況にするのですね。2対1と追いつきだしたところで、3点目を取られるとかなりやばいわけですがどうなるか。他人を思いやったり、相手の焦らせることを考えることが出来るコーイチさんも自分の高揚は抑えきれないようで……少しほっとしたのですが、そうも言ってられない状況ですね。次週が気になります。


木曜日のフルット 石黒正数 マリアの巻
 カラスのマリアさんというわかりやすいネーミングで登場した新キャラですが、確かに鳥、中でもカラスというのは街中で重要そうな動物ですね。重要そうといば、犬もそうですね。今回登場した犬に名前はありませんでしたが、再登場期待。そしてカラススタイルの鯨井先輩が素敵です。


 巻末コメントの平川先生「やっと上位になった。」ってこれだけしか書かれてないんですが、モンハンの一言も入れとかないと……と思うのですが、発売から2カ月以上たった今でも3人の作家が言及してることを考えると必要ないのかもしれませんね。さすがモンハン。
 来週は、新連載大攻勢が終わったと思いきや、また新連載が始まるようです。以前「とめがね」が掲載された八谷美幸「ましのの」だそうです。エロコメっぽい感じですね。とめがねからの復帰がかなり早いので人気だったのでしょうか。またさらし首3人衆も復活するとのことですが……真ん中の人(首)が違う!? と見せかけてあの人がこんな容姿になってるだけと予想しておきます。