週刊少年チャンピオン  2011年22・23号感想

定期的に止まってしまうチャンピオン感想ですよ。復活!

範馬刃牙 板垣恵介 第250話/史上最強の親子喧嘩
 決戦を前に4週休み、「見て来た!アイツらヤってる!」の一言や、真っ白な見開きで「想像せよ…」とだけ記すことによって、否が応にも盛り上げてきた刃牙と勇次郎の親子喧嘩がついに始まりました。
 父からテーブルマナーを教わりながら、料理を食し、苦いコーヒーを無理して飲んで、もっと苦い会話――母を殺した理由を問いただしました。復讐でなくとも、理由を知ることは息子の権利。味の好みや洗い物をするかどうか、という日常のすれ違いによる喧嘩の始まりでは無かったにしろ、両親の仲への長年の疑問の解決のための立ち合い、親子喧嘩なのでしょう。
 尻を叩いて衝撃、という一撃には範馬刃牙初期の妄想巨大カマキリ戦のときに、ルミナに対して刃牙がした行為を思い出します。苛められてる小学生と範馬刃牙開始当初の刃牙と同じくらいの実力差が刃牙と勇次郎の間にあるとかそういうことはありませんよね。


被害妄想少女うれいの日常 中村ゆきひろ 第8話「秘密編」
 最悪は想定出来ても、現実的な悪い未来は想像できない……漫画ネガティブの限界! 8話なんですけど、これの感想初めてなあたり、ずいぶんサボってたんだなあと思い知らされますね。とはいえ、結構感想書きにくくて困るタイプの漫画ですね、これ。


弱虫ペダル 渡辺航 RIDE.157 薬局までの3km
 インターハイ二日目が終わり、作戦通りに制することが出来ず心折れた御堂筋。3日目を棄権し、部を辞め京都に帰ろうとする彼を救うヒーロー小野田坂道! というのが先週でした。いえ、先週ではまだ救ってはいないのですが、ザクとか量産型とかいう御堂筋にオタク要素を見出し会話を求める坂道と勝負することになった御堂筋。弱虫たちをペダルで救う主人公ですね。二日目は少しだれていた面もあったのですが、先週で一気に盛り上がりました。そして今週、自転車に乗ることは楽しいという基本を御堂筋に思い出させるという「自転車の根源的な面白さを見せる」坂道の魅力が発揮されました。それはそのままこの漫画の根源的な面白さだと思います。この2週はほんと素晴らしかったです。


毎度!鉄筋浦安家族 浜岡賢次 27キンポ★空飛ぶ10時半
 浜岡先生の画力は偉大ですね。3Dの表現が迫力で、勢いがあります。


侵略!イカ娘 安部真弘 第185話・面と向かわなイカ
 清美と早苗の邂逅――そこから導き出される物語は清美マジ天使! 今週は歴代でもかなり好きな話に入る気がします。清美と早苗の組み合わせはすっごくいいですよ。


てんむす 稲山覚也 第13話・誰がために
 食い道部始まりの過去編にしてマネージャー忍足さんと立浪部長の出会い過去編。女の子たちの戦いにおいて、それを見守る男の子たちは、まさしくヒロインであり、応援することの意味を認識させつつ女の子たちの可愛さまでも描く隙のない構成。しかし忍足先輩は良いキャラクターですね。当初は意外性を押してる感じもありましたが、先輩としても、男の子としても、コメディ要素としても、素晴らしいですよ。それを言うと全キャラ好きですけど。


行徳魚屋浪漫スーパーバイトJ 沼田純 第47話・ゼブラ野木工場・死闘編
 ついに待望の単行本発売も決定し絶好調なNJ先生ですが、先週今週と工場にやってきています。流行に乗ってるのでしょうか。やってきているのは漫画家としてはペン先でお世話になってる文具メーカーゼブラ。「くっ!! このシマウマ(ゼブラ)肉食だぜ!!」というセンスが大好きです。


バチバチ 佐藤タカヒロ 第96話/単純
 4日目まで全員2勝0敗という幸先のよいスタートを切った9月場所。5日目の鯉太郎の相手は、先場所唯一土をつけられた、そして教習所では身体の出来の差で当たり負けまでしたドングリこと渡部。先場所では一番パワーが無さそうで、だからこそ頭を使うタイプのように描かれていましたが、身体の出来あがった渡部は立ち合いの変化に頼る必要すらない――だからこそ! 渡部が頭を使っているのは、この一勝負だけではなく、この場所全て、そして今後の相撲人生全てにおける戦略のためなのだろうなと思います。鯉太郎は3年後の稽古をしてるけど、彼は3年後の戦いを。今場所も、来場所も勝つための一手。そんな気がしますね。とはいえ立ち合いの変化にやられてはいますが、これだけでは終わらない鯉太郎でしょう。次号、期待で。


クローバー 平川哲弘 第197話 ボウズとロン毛が探しているモノ
 真木は釣りも上手くなって、他所の人から狙われて、ずいぶんと主人公みたいになってますね。六鬼會は思いのほか何度も話に関わってきますね。


シュガーレス 細川雅巳 Vol.63 駆逐
 若い男が、好きとかホレるとかホレされるとか! という感想はひとまずおいといて、このブログでは何も語らずに置いておきますが、椎葉岳のさすがのかっこよさですよ。立ち上がることが重要とされるシュガーレス世界で、気絶から3ページでの復活を成し遂げたり(そもそもその価値観の第一人者)、自分のために力を使うから誰といても1人で立てるという発想を叩きつけます。一人の力というのも、この漫画の根幹ですね。そりゃあ椎葉岳がかっこよくないわけがありません。とはいえ、作中の最強のシャケと肩を並べる実力の持ち主と遭遇してしまっては……勝ち目はまったく無さそうですが。


ドカベン スーパースターズ編 水島新司
 まあ光が新人かつ投手歴1年未満であることを踏まえると全部山田が悪いですね。さすが横には弾かないって言われたところで、もう弾いた時点でアウトですよ、3塁ですし。


囚人リク 瀬口忍 第12房 呼吸
 刑務所内ラグビー編、終了。ひたすらに泥臭く(実際にキャラクター達は泥まみれです)、ハードな展開が続くのに、絵柄も雰囲気も非常に読みやすく気取ったところもなく、本格少年漫画とでも形容したいところです。
 ついに刑務所側の人間に善人というか普通の感覚を持った大人が登場しました。まるで男子高にいる保健室の先生みたいな感じになってしまっていますが、リクに取って優しい大人=おじさんだけというのが見えて切なくもなりました。


ましのの 八谷美幸 第6話 いちもうだじん【一毛打尽】
 毎度ばかばかしいエロネタで人気を得たのか、先週からましののが復活してきました。今週は読者的には同じだけどましの的にはエロ要素が無いので、少し毛色が違う話になってます。一番のセクシーショットは寝起きの母親だと思います。


ANGEL VOICE 古谷野孝雄 第195話 最後の力
 習志野実業戦、延長後半3対4。その土壇場のプレイで、仲間の指示が聞こえない状況、そこを全員が叫ぶという熱い展開がきました。百瀬さんをここで頑張らせても大丈夫なのかと心配していますが、とにかく演出のうまさがさすがです。


ハンザスカイ 佐渡川準 第64話・真鍋の跖
 必殺技でないただひたすらにたゆまぬ稽古の結果での速さでリーチの差を埋めた真鍋。(名前のつく技ももちろん稽古の結果なわけですが)達人同士の戦いという感じで、好みです。青柳先輩が一本を取る描写、脚だけを映すのには痺れました。


ナンバデッドエンド 小沢としお 第121話 いつもの夜
 サブタイトルがきついですね。更生したはずなのに、襲いかかる理不尽。今までいっぱい殴ってきたからしょうがないと剛は言いますが、だからと言って無関係なやつらから殴られるのは。それもとばっちりで。それが「いつもの」と言われるとは……小沢先生の容赦ない追い込みはまだまだ続きそうです。しかし、今回猛のことをわざわざ教えちゃった彼は、ケンカして先生に言いつけてやるって泣きながら言う子どもみたいで、こんなやつに友達(ツレ)と言われるのも、と複雑な気持ちになります。余計なことを言いやがってえええええ。


王様日記 森田将文 第6冊/丘の上の犬
 もっと霊界バトルになるのかと思いきや日常の事件解決で本編を進めてきた王様日記。今回は、犬のお話。良い話でしたが、死という別れを出したことによって、作品も最後の一山への流れが出来たというところでしょうか。


はみどる! まりお金田 59曲目:ときめきたいの
 Ki-RITANPOとは互いにライバル意識を持ちつつ、自然にアドバイスする良い関係ですね。しかし、無理やり入ったとはいえ、中で暴れたわけでもないのに壊れるとは、ちょっとページ数足りない感じのオチだったかなーという気もします。


モメンタム 濱口裕司 第14話/壁!?
 足攣る様を、描き文字の!が脚を貫くように描くのはなかなか面白い描写でした。スクリーン2発で3Pシューターにノーマークを作り、なおかつスクリーンアウトで3人に内側に入られてるとか、どんな守備をしているんだと思わざるを得ませんが、そこで放たれるシュートは良い感じに空気が変わってました。まずは目の前の相手に集中、という意味で上手い試合開始でした。


ケルベロス フクイタクミ 第六十五刻 俺が、必ず
 眠り続ける母の顔と、泣き叫ぶ景の顔の対比がもう見てられません。景も雪房もこれだけ苦しんでいるというのに、「真の苦悶はここから始まる」と煽られた二人の運命は……もうやめてあげて!


キガタガキタ!〜「恐怖新聞」より〜 原作つのだじろう 漫画 西条真二 第37話「鬼形影2」
 キガタになり替わろうとする影、ということですが、成り代わりが成功すると立体化するということなので、彼は今平面なんですね。影ですし。その辺りに反撃の糸口がありそうな感じですね。


木曜日のフルット 石黒正数 カナモギの巻
 サンタから貰ったケーキとでも言っておけばよいものを! 無駄な見栄を張るフルットでございました。


 次号、とても大好きだったゾンビ少女コメディ「りびんぐでっど」が蘇り連載らしいですよ。この書き方だと本連載の可能性もありそうですね。楽しみです。