週刊少年チャンピオン 2011年10号感想

 悩み悩みのチャンピオン感想。いつもと違うようないつも通りのような出来です。


みつどもえ 桜井のりお 222卵性[混入DAYS]
 しょうがない隊のバレンタイン用の食材は主に身体の一部です。それではここで、その制作過程をご紹介――されそうになって、慌てて止めるみつば。みっちゃんが髪をくくってリボンで止めてるのがもう可愛すぎてますね。そして血でチョコを妄想できるバイタリティ。一早い状況把握から適切な対策。みっちゃんが可愛すぎますね。それに比べて佐藤のやろうと来たら、今週は一部の隙も無くギルティ。おがちんに何してんだお前えええええええ。というか、話が進んでる間ずっとみっちゃんとおがちんのふとももに挟まれてたかと思うと、酌量なんぞしてやるつもりはありませんよ! オールカラーで酷い目にあってしまえ!


てんむす 稲山覚也 第1話・食せよ女の子
 (女子高生+方言)×大食い×部活。この解の最大値を想像します。そうして、この1話を読んだら……その通りのものが載っていました。パーフェクト! マーべラス! ファンタスティック!! これが新人だってんですからもう、よだれも出ますよ。めろーんですよ。
 競技としての大食い、食い道部所属の荒木遊。技術と理論で大食いをする彼女は、ただただ食べることが大好きな大食い少女、春風天子と出会う。新連載第2段は、可愛い女の子の部活ものでした。とてつもなくキャッチーですよね。連載予告絵ひとつで、上記の属性が好きな人が飛び付けるんですから。この設定があって、後は可愛い女の子が描ければ大丈夫、というくらいです。いえ、実際には女の子は可愛いし、食べてる姿が幸せそうで可愛いし、競技としてのハッタリは効いているし、素敵な人間関係が垣間見えるしで、言うことなしなのです。そしてキャッチーであるということは、人に勧めやすいということなのです。今ならみつどもえイカ娘の知名度もありますし、それを踏まえてチャンピオンに誘い入れてその全てを体感させてみるというのも良いのではないでしょうか。てんむす、期待通りの作品でした。


弱虫ペダル 渡辺航 RIDE.145 がまんの3メートル
 私は先週の感想の最後に()をつけて、予防線を張りました。逃げたのです。御堂筋が、またにょろーっと嘘やでーっとばかりにまだ本気出してないからアピールをし出したとしてもお見通しと虚勢を張ることばかりを考えて、漫画に真剣に向き合っていなかったのです。あんなに、みんな本気だったのに。私だけが本気ではなかった。そんな自分を恥じるばかりです。騙されたって良いのです。御堂筋も誰もみんな、勝つために走っている。そのことに、偽りはないのですから。京都伏見だって、いいチームですよ。そんな一話でした。


クローバー 平川哲弘 第185話 間違い
 イケメンは現状で女をヤリ捨ててる最低野郎ですが、それでもヤったときは同意の上だったろうということで、そこまで非難は出来ないんですよね。当事者以外は。イケメンがクソイケメンであることに疑いはなく、なんか罰が当たってすっきりしたいという思いはあるのですが、それを手っ取り早く実現する展開として、イケメンがメイちゃんにちょっかいをかけるもメイちゃんが毅然と断り、イケメンが逆上の上、メイちゃんに(性)暴力をしかけるという、イケメンを明確に悪に据え、メイちゃんを被害者にする方向が思いつきます。それをケンジなりハヤトなりが殴り飛ばすのが簡単ですよね。そんな図をぼんやりと思い描いているのは良くないですね。なので誰もが傷つかず、暴力もなく終わってほしいと望み始めています。
 そういうのとはまるで関係ない話ですが、ハヤトが良い奴過ぎたり、イチゴとサヤカが熟年夫婦すぎたりと、クローバーのイチャコラ具合は堪りませんね。


バチバチ 佐藤タカヒロ 第84話/俺だけ…
 太りにくい体質……力士として絶望的な問題を前に、鯉太郎は苦悩しています。今週はそれまで以前に、痩せた描写がなされているので、眠れない夜や食事の面で、ますます体重が落ちているのかもしれません。とりあえず鯉太郎に必要なことは気づくことと認めることだと思うのですが、親方や兄弟子がいない状態というのが響いていますね。そんな中マコ姉が現れたというのは、予想外の方向からの救いだったので、驚きですが、非常に的確なのかもしれません。マコ姉に任せれば解決しそうなほどの頼りがいがあります。マコ姉を見た瞬間にほっとし、すぐにそんな自分を責めるような顔をした鯉太郎は切ないのですが、ここは頼りなさいな。


侵略!イカ娘 安部真弘 第173話・休ませなイカ
 一部を手伝うという思考がなく、極端に走るのはギャグ漫画ゆえでしょうか。家事が生きがいでそのスキルも高く、強く、可愛い。千鶴はこんなにも素敵なのに、あまり悟郎のライバルがいないのは不思議ではあります。普通にしていれば怖くないですし。


範馬刃牙 板垣恵介 第242話/逞しさ
 互いに歩み寄ることによって互いに相容れない部分が明らかになり、どちらも譲らないから喧嘩に発展し、それがたまたま史上最強の親子だったからとんでもない親子喧嘩が始まる。それを望みつつも、範馬勇次郎を止めなければならなくてそれをするのは肉親の義務であると考える刃牙。その考えをまるで理解せず戦いだけに注目する徳川の爺さんはさすがですね。結局どんなマッチも、この二人の戦いには劣るわけですから当然なのかもしれませんが。
 一方、男子会でコイバナに花を咲かせる父親、範馬勇次郎。普通こういうこというと、比喩というか窺った見方なんですけど、本当に恋してるって言ってますからね。また夢まで語ってしまうあたり、若いですね。さすが成長し続ける男。その夢は、刃牙の言う、肉親だから止めるということと同一なのかもしれません。


ナンバデッドエンド 小沢としお 第109話 寒い夜
 タイマンで自分に勝ったら、全てを見逃すと言ったヤクザ梶原に勝った剛ですが、はたしてヤクザが仁義を通すのか否か。という先週の引きから緊張しっぱなしでしたが、仁義を通すというほど潔くもなく、けれども結果的に約束を守ったという個人的には好みな解決でした。ここまでやってきといて、梶原をかっこよく描かれても困ります。これで問題が全て解決して、剛が大検受けるなり、美術予備校に行くなり出来たらいいですね。


ドカベンスーパースターズ 水島新司
 スーパースターズルーキー冬木春太郎が好きになれる要素がひとつもなくて困りますね。大友剣のように態度が悪いことが明確になってればいいし、彼には憎めない要素が多々あったというか大好きなキャラですけれど、そういうのが無いので扱いに困ります。


モメンタム 濱口裕司 第2話/三人の物語!?
 非常に素晴らしい1話から、どう来るかと期待していたのですが、1話ほど好感触ではありませんでした。冒頭3Pに1話のおさらいが入ったからテンポに乗れなかったのが大きいかもしれません。それでも魅せるところをしっかり魅せてきて、引きこまれるのはさすがです。1話の最初で使った反則ダンクをもう一度、大きく使ったり、十字架や、審判が笛を吹かなかったことへの指摘など、主人公のそういう意味では魅せる場面があって当然の1話2話はよくても、今後魅せる場面が無い場面が気にかかります。またギャグの配分が今後の明暗をわけるかもしれないと思いました。
 1話のサブタイトルが二人の物語!?で2話が三人となってるわけですが、先輩達それぞれに宗介との関わりがあるんですよね。それが描かれるのが非常に楽しみです。そうして今ここに居る6人と宗介くん、7人の物語になるのかと思うとわくわくしますね。


ケルベロス フクイタクミ 第五十三刻 決意、の刻
 そういうことを言ってる場合ではないのですが、景をお姫様だっこして階段を駆け降りる友恵の力強さに惚れ惚れしますね。ケルベロスの絶望と希望の配分は絶妙で、その中で景のヒーローっぷりは本当に救われます。烏崩が人体乗っ取りを好む理由が明かされましたが、私が人体乗っ取りを好む理由は、冬子先生のドS顔が見れるという、姿だけでも普段と違うものが見れるギャップですね。ほんとこういうことを言ってる場合ではないのですが。


ハンザスカイ 佐渡川準 第52話・逃げんな
 「恥をかいたと思ったならそれを抱いたまま強くなりゃいい」「少々手荒だが抱いて生きていくにゃいい経験だったんじゃねーのか」結城の反則負けという結果に対し、完璧なフォローが入りました。普通にどちらが勝って負けたら、ここまで綺麗にはいかなかったかもしれません。この結末に拍手を送りたいです。そして、先鋒の、後輩の至らなさは先輩を奮い立たせる結果となりました。団体戦の面白さですね。勝って勢いを作ることも出来れば、負けて勢いがつくこともある。しかし、その先輩の相手は野田君。そろそろ彼も勝利を掴んで良い頃だとは思いますが、どうか。


シュガーレス 細川雅巳 Vol.51 アタマとココロ
 本当にシュガーレスには、上限がないのでしょうか。主人公、椎葉岳の影響を、シロ自らが語るとは。岳が雑魚を無双するのが椎葉岳劇場なのだと思っていましたが、ありとあらゆる面から椎葉岳がかっこいいのが椎葉岳劇場だったのですよ。もともとあまり言うほうではなかったのですが、岳を主人公でないと言った趣旨の発言を今後二度としないと誓います。これ以上なく主人公ですよ。


スーパーバイトJ 第35話・スリースターズイベント第2弾(後編)
 崩星フクイ先生の癖、机がかゆいからかく、というのは実はわかる気がします。自分にそんな癖があるわけではありませんが。梅田阿比先生までいたとこどんなに豪華なイベントだったのでしょう。こんな可愛い阿比先生と同じ空気吸ったとかどういうことですか、イベント参加者たちは。3star、3回目にして最後のイベントが近く行われますが、結局1回も行けずじまいです。イベントの性質上関東でしか開催出来ないので仕方が無いのですが。


聖闘士星矢LC 原作 車田正美 漫画 手代木史織 第214話アローン
 全てが圧倒的でどんな言葉もむなしいのですが「僕と魂で関わってくれ…テンマ!」「ああ! そのつもりでここまで来たんだ!!」というやりとりが、もう。二人以外は何も言えないのです。読者も同じです。


はみどる! まりお金田 47曲目:果てない空
 オールスター総出で、ユニットシャッフル話からのやっぱり今のみんなが一番いいというオチ。好きな話過ぎて、大変です。途中のどの組み合わせも全部魅力的なのがにくいです。いっそ6人組でやっていったらどうでしょう……と思ってしまいますが。


キガタガキタ! 原作つのだじろう 漫画西条真二 第25話「恋侍<後編>」
 悪霊に負けず劣らず性質の悪い人間達ばかりで、この世界はほんとに大丈夫なんでしょうかと疑いたくなりますね。聞くところによると古川くんにモテ要素は無く、恋侍も知らなかったのに、どうやって睨まれつつも女子の肩に手をませているのでしょうか。くたばってしまえばいいですね。


死神憑き 降る川光一
 第75回新人まんが賞受賞の読み切り。話の筋は悪くありませんでしたが、その他の要素は未熟でした。わりと今風でしたので、今後スキルアップしたら化けるかもしれません。
 葛藤し、変化する側の主人公と、頑張る側の主人公の噛み合いが上手く行ってたのと、目の下の模様という単純さで、死神の異質さを表現するというアイデアが、特筆すべきところでした。


木曜日のフルット 石黒正数 鯨井先輩の巻き21
 オトモフルットが可愛すぎて連れて行きたいのですが、ネズミにも負けるフルットでは……採取ネコですかね。


 新連載が二つ続けて当たりで良い感じですね。3つ目、囚人リクがそれに続けるか否か、楽しみです。