週刊少年チャンピオン 2011年8号感想

 AKBっていっぱいいるんだなあと当たり前のことを思うグラビアの日々です。そんなチャンピオン感想。なんだか長い間してなかったような気がしますね。事実ですね。

表紙
 まずはこちらを見ていただきたいのです。もうおわかりですね。シャケえええええええええ。シュガーレスのシャケが表紙を飾っているわけですが、もうシャケえええええええ。事前にこの画像を見たから助かりましたが、店頭で初めてこの表紙見てたらえらいことになってましたよ。


シュガーレス
 そんなシュガーレスが巻頭カラーであるわけですが、このカラーもまた素晴らしい。横並びという構図自体は前もあったわけですが、岳、マリモ、白、卜部、キリオ、シャケと並んだ絵がもうかっこいいのです。キャラそれぞれが魅力的もありますが、それぞれの表情とか佇まいとか服装とか、全部が彼らを活き活きと表現しております。がっくんは赤い服だから主人公が確定しました。よかったね!
 さて、内容のほうでありますが、九島を落とす競争をし、九島に乗り込んできた矢坂兄弟とこっそり忍び込んだ周防。それを生徒総出で迎え撃ってる最中なのですが、マリモが、三田さんが、卜部が、九島の生徒みんながもうかっこよすぎて感動ですよ。「拳は暴力のための道具じゃない」「暴力ごときに負けるやつは九島(ここ)にはいない」そう言うマリモを立ち上がるみんな。ああ、みんなかっこいい! と最高潮になったところで、その存在だけで全てをもっていくシャケ登場。喋らずに、高みに居るだけで全てを統率する王のようです。その王に報いる忠誠は、誠実に九島の頂点を狙うことですけれど。最高潮からシャケ登場による上があるのだと思い知らされたところでシロが復活。鼻をパキられてから行方不明だったシロが! どうやら鼻が折られてから作中時間はほとんど経っていないようで、曲がった鼻のまま一矢報いるシロ。弟VSシロ、兄VSマリモ、周防VS卜部という構図が出来上がりました。
 1周年カラーに相応しい、最高の1話でした。いや、最という言葉がむなしいほどに、まだまだ上があることを予感させる素晴らしい1話でした。今回、九島の頂点であるシャケの思想がこれでもかと表現されたわけですが、もうひとつ、主人公たる椎葉岳の思想というものも描かれたのではないかと思います。"暴力を否定"して"立ち上がる"という話だったのです。椎葉岳が九島に与えたものというのは決して小さいものではないだろうと私は思います。肝心の主人公が登場しないから考えた詭弁ではなくて……なくて。


弱虫ペダル
 インターハイ二日目ラスト、エースとそれを引っ張るアシストの闘いの場に、3校6人の中に、強者たちに混ざる、たった一人の弱者。弱虫ペダルの名が誰よりも相応しくなってしまった、弱泉と呼ばれた、あの今泉が……今泉が立った!! 今泉くんの精神を救ったのは、やはり金城さんでした。(+坂道) 金城さんは何歳なんですか。何年生きたらそんな大人になれるんですか。かっこよすぎて困ります。そうして弱者を引きずり下ろすのに失敗し、ついに全てを金繰り捨てた御堂筋。二日目にして全力と全力の闘いに!
3日目が最初から最後までこうした全力と全力の闘いであることを望みます。どんな争いになるのかとても楽しみであります。体調不良にしろアクシデントにしろ怪我にしろ、全力を出せないというのは不幸ですので、3日目は本当に全てを賭けた闘いがいいなあと思います。あと、御堂筋が総北のことを王者に類するものと評したのが、嬉しいです。



バチバチ
 名古屋場所序の口優勝力士は、今までまったく描かれなかったモンゴル出身の蒼希狼。現在の力量でいうと、村神や鯉太郎や石川のほうが高いけれど、特筆すべきはそのハングリー精神なのでしょう。現在の相撲でモンゴル人は避けては通れないので、これからどうなるのか楽しみです。村神の名前間違えるネタは、"鮒太郎"はともかく、"山本"ってどこも合ってなくて石川の名前が消えうせてしまいました。面白い。


ハンザスカイ
 強い奴と戦うのが楽しくてたまらない半座が良いですね。相手が強いから、自らが成長できる。もちろん成長の土台は日々の稽古と教えにあるわけですが、それが花開くのはやはり実戦なのでしょう。戦うことと自己の向上を楽しむというスタイルは見ていても楽しくなります。


範馬刃牙
 冗長さ、というものはバキの欠点であるでしょう。ストーリーで考えればそれを否定することは出来ないかもしれません。けれど熱量という意味においては、そうであるとは言い切れないと思います。そんなことを思わせてくれる一話でした。KO勝ちしたものの表情は晴れない烈。ボクシングから逸脱したことへの後悔のように読み取れますが、でも上位では使う予定だったというのだから、本気出しちゃった……くらいの感じで良いとは思うんですよね。真面目だけど、どこかズレてる烈。コーチはもう、叫んでリングに上がって烈に飛びつくとか、ヒロインですね、この人。そして次なる相手になるだろう、チャンピオンが現れましたが、烈さんを"イエロー"と呼ばれてもピンと来ませんねえ。その肌トーンからも烈さんは真っ黒というイメージなので。


ハナコの○○
 webからの読み切り。個人的にはもともと好きな漫画家さんが描かれているのもあって好きなんですが、webの中ではあまり話題にならない作品である気がします。しみじみ面白いんですけどね。語りにくいのはあるかもしれません。この読み切りにしても……いや、面白いんですよ。しばらく炭酸を飲んでなかったので飲みたい気分になりました。


ケルベロス
 心温まるカラーすぎてページをめくるのが怖かったですね。めくった先に死体が転がっててもおかしくないですからね。人体が分割されててもおかしくないですからね。と思いきや、冬子先生の胸が強調されてたりしましたが、同じコマの景の後ろ側には不穏な影があるので油断はできません。というかこの漫画に油断出来る隙なのありはしないのです。しかし冬子先生はもうショタコン女教師として完成され過ぎていて、どうして幸せなショタコン生活が送れないのでしょうね。悲しすぎますもっとやれ。


みつどもえ
 テーマは"女子力"。宮下は女子力無さ過ぎるというか若干人間力が怪しいところですね。何事が起こったのかわかりませんでしたよ、最初。いや、今でも疑ってます。なんで友人の家で裸になってドヤ顔してるんですかこの人……。露出狂とか痴女とかそういうジャンルじゃないもん……ほんと何が起きた……。未だに混乱さめやらぬ私です。丸井家が出てこない話という話なのに、いや、三つ子がいないからこんなことになってしまったのですが。ただこんなに将来も現在も過去も心配な宮下さんでも自分の服をダサいと言われてショックだったのは安心しました。その気持ちだけで大丈夫だよと言ってあげたいですね。ダサいダサくないっていうのと自分が着たいかどうかはまた別問題なので、杉崎もそこまでショック受けなくても……。


侵略!イカ娘
 まさかのコタツ、鍋、防寒具。常夏でもこういう話が出来るんですねえ。やはり冬っぽい格好は新鮮でした。「体感的に3年くらい夏が続いてるような暑さ」って栄子はたまにこういうメタっぽいことを言う。


クローバー
 メイちゃんだめええええ。そこでそのイケメン(の周り)に反論しにいくのは駄目えええ。それは罠です。反応したら負けですよ。まったく話題を提供してしまってるではないか。まんまとイケメンの罠にはまりおってこの小娘は。いや、メイちゃんは何も悪くないんですけどね。小娘でもない良いお嬢さんです。ケンジの気持ちは痛いほどわかります。恋愛ごとに対して自信なんて持てませんよほんと。


スーパーバイトJ
 店員と一発でわかる服装最強! ほのぼの家族漫画の図が幸せ過ぎて困る。アニキがかっこよすぎて、どこまでもついていけるぜ。アニキの何がすごいって、明るいお母さんとか、きびしいお姉ちゃんとかって形容詞無しに、"アニキ"という言葉ひとつで十分なところじゃないでしょうかね、アニキ。それはさておきイナゲ主任の「マンガ大変って言ってなかったっけ?」という突っ込みかつ心配するとう芸当がほんとにね。もう主任大好き。でもお姉ちゃんであるミツイシさんもね。平然となじられたいですからね。


ナンバデッドエンド
 ヤサグレ状態から立ち直れた剛ですが、ヤクザ問題はこれからが本番です。普通に殴り合って終われるのかどうか……どう収拾がつくのかわからなくて予断を許さない状況です。ヤクザとケンカの強さの関係というのは実はよくわかりません。


ANGEL VOICE
 ヒサシは大きいですねえ。そういう表現ではありますし、キーパーとしての実力の高さもあって、そう見えるというのはわかるんですけど、大きいなあ。エンジェルボイスのナレーションは効果的で、「所沢の怪腕を見る」と出て終わると次週への期待が大きくなります。リズムを作るのはディフェンスから、ですね。



はみどる!
 帰りてぇって小さく縮こまるコマが可愛い。暇つぶしでやってた組体操の成果も、番組で発揮されてよかったですね。今回、描かれたことは全部オンエアされたようですし、強欲でもなんでもよかったんじゃないでしょうか。滅茶苦茶目立ってますよね、これ。


聖闘士星矢LC
 運命の最終決戦に相応しい、息つく暇のない描写。"救済"のために"哀しみ"と"死"を求めるアローン。まさに神々の闘いです。テンマもサーシャもかっこいいから、三人とも笑えると良いんですけどね。


キガタガキタ!
 悪霊を出し抜くときのキガタは本当に楽しそうに笑いますねえ。盗んでなくても放火してますよ。首さんはキガタのズボンがずれることに対して喜んでるんですね。


走×シャトル
 第75回新人まんが賞入選作の読切。中学のとき同じハンドボール部だった運動神経抜群(しかも左利き)の先輩が、高校でバドミントン部に入ったことを思い出しました。その人は高校からだけどわりとやれるって言ってました。大学ではまたハンドボールをやってたのでどれくらいやれたのかはわかりませんが。
 面白かったですし、新人であることを考えたらレベルは高いと思いますが、主人公に不満がありました。主人公の表情については講評でも述べられてた気がしますが、主人公の内面が伝わってきませんでした。また動体視力や先読みといった能力と名前である"走(かける)"あたりのズレも気になりました。"力の開眼"にもっと焦点が当てられたほうが良かった気がします。どちらも読切としては中塚を描き過ぎたせいの分散だろうかと思います。そういうわけで是非とも連載を読んでみたい漫画家の誕生でした。


出陣!!ムショ高排球軍
 最終回。なんとも残念ですけれど、描かれた悠生の高校との試合は、本当に見事なものです。この試合をもっともっとちゃんとした形で見たかったと思います。2巻以降の単行本は出ず、yahooコミックスと携帯用のHANDYコミックで配信とのことですが、……やっぱり単行本欲しいですよ。


ノベルゴッド
 3話使ったにしては、やりたいことが描けているようには見えないし、そもそもやりたいこと自体がはっきりとしない残念な出来でした。「悪意を持ってその人が望まない方法で願いを叶える神」というネタは良いけど、話にまで昇華することが出来なかった……というところだと思います。ネタだけで話が生まれる思いつきでは無かったという意味で、力量にあってない話だったのかもしれません。


木曜日のフルット
 ネズミに負けるフルット……。さすがとしか言えませんね。逃げられたじゃなくて負けたってアンタ……。しかも特殊部隊の耳と目はたいして役に立ってないので、フルットはほんとにもう。



 次号から新連載が連続で始まるようです。次号からのバスケ漫画「モメンタム」の濱口祐司とは以前「Can You(勧誘)?」という読切を描いた人のようですが、タイトルは覚えていても内容を覚えていませんでした。その次の「てんむす稲山覚也佐渡川先生のアシスタントだった人のようですね。「囚人リク」の瀬口忍は「劇画マッドマックス」や「たのしい幼稚園」などで描かれていたようでどんな漫画なのかさっぱり読めません。劇画マッドマックスって表紙しかわかりませんけど快楽天とかよりも児童誌から遠い雑誌な気がするんですけど。4作目には集中連載の「十字架とコイン」那須信弘。2007年以来の登場ですけれど多重人間バニシングツインは私がチャンピオン本格的に買い始める直前の時期だったようです。なので未読。去年の新連載陣の予告を見たときのときめきはありませんが、どうなるのでしょう。楽しみです。
 予告イラストの段階で私が一番好きになりそうなのは「十字架とコイン」で、一番成功しそうなのは「てんむす」です。はてさて、期待。